吸入薬は重度の肺炎を予防する可能性がある

May 25, 2023

2023 年 8 月 8 日

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ミュンヘン工科大学著

新型コロナウイルス感染症（COVID-19）などの疾患における肺損傷の背後には、過剰に活性化した免疫細胞が関与していることがよくあります。 ミュンヘン工科大学（TUM）の研究者らは、マクロファージとして知られるこれらの細胞の活動を遅らせる肺スプレー用のRNA剤を開発した。 新しい糖ベースの輸送メカニズムは、治療薬を標的に届けるのに特に効果的です。

薬理学・毒物学教授のステファン・エンゲルハルト氏が率いるチームは、SARS-CoV2感染などにおける重度の肺の炎症や線維化、つまり肺組織の瘢痕化を防ぐために、RCS-21と呼ばれるRNAベースの有効成分を開発した。

細胞内では、RCS-21 が分子 microRNA 21 の活動を停止します。エンゲルハルト氏と彼のチームが長年研究してきたこの核酸は、重度の肺感染症におけるマクロファージの過剰な活動の引き金の 1 つです。

科学雑誌『Nature Communications』に発表した研究チームは、活性物質RCS-21が吸入器を介してどのように特に効果的に標的に送達されるかを説明している。 これを行うために、研究者らはマクロファージの特殊な機能を利用しました。 これらのスカベンジャー細胞は、健康な肺にも多数存在します。 そこで、細菌や真菌の胞子をできるだけ早く破壊するという重要な役割を果たします。

マクロファージは、侵入者の表面にある複雑な糖分子に基づいて標的を特定します。 「我々は単一細胞分析で、対応する糖受容体がマクロファージ上の最も一般的な受容体であることを突き止めました」とステファン・エンゲルハルト氏は言う。 「一方で、受容体はある意味、マクロファージに特有の特徴であり、他の場所にはほとんど存在しません。」

そこで研究チームは、その有効成分を糖分子、より正確にはトリマンノースに結合させた。 このアプローチはこれまで、化学的に複雑でない有効成分を使用してのみ追求されてきました。 マウスを使った研究では明らかな結果が得られました。 「薬剤をスプレーとして投与した場合、マクロファージは糖分子を含まない場合よりも有効成分を大幅に取り込みました。対照的に、他の種類の細胞では分子を完全に排除することさえあります」と、ディーパック・ラマヌジャム氏とともに論文の筆頭著者であるクリスティーナ・ベック氏は言う。

マウスを用いた実験では、RCS-21 により、対照動物と比較して microRNA 21 が半分以上減少することが確認されました。 線維症と炎症も治療後に大幅に減少しました。 研究室で SARS-CoV-2 コロナウイルスに感染したヒト肺組織のサンプルを RCS-21 で処理すると、microRNA-21 活性の上昇も停止されました。